オリンパス OM-707

 このカメラは、ご存じオリンパス最初で最後のレンズ交換式AF一眼レフである。デザインも特徴がないが、今となっては、その動作もどうしようもないものである。

 第一に評判が悪いのは、ピント合わせのためのリングが省略されていることだろう。もちろん絞りリングもない。この頃は、ミノルタα7000ショックで、各社があわててAFカメラを販売したが、その中でも使いにくさはピカイチである。だいたい、一眼レフを使おうとする客層とコンパクトカメラを使う客層では、重なりが少ないということを考えているのかというあたり、大きな疑問が残る。ピントリングがないことをカバーするために、ボディ裏に距離調整スイッチをもうけているが、これが実に使いにくい。マニュアルフォーカスのOMシリーズを知っている人たちは、このカメラに手を出さないというのは当然だろう。

 オリンパスは、この次にOM-101を販売するが、これについては別に項をもうける。

 私の所にきたOM-707は、ジャンクだった。動作そのものは問題ないのだが、電池室のふたが付いていない。そのためにジャンクとなったものを例によってYAHOOで落札した。レンズは、標準ズームの35-70mm/f3.5-4.5とシグマの80-200mm/f4.5の2本が付いてきた。純正のレンズはカビだらけ、シグマのレンズも少々のカビという状態。純正標準ズームは自分でばらして清掃したが、今ひとつはっきりしない。
 電池室は、どうしようか迷ったが、1mmのアルミ板を切り取り、電池室ふたを作った。アルミなので、0.2mmのプラ版で絶縁し、それにアルミフォイルを張った。外側はパテで整形し、黒い塗料を塗ったら、元々が底にあるものなので、ほとんど目だたなくなった。

 使ってみると、AFの動作はジーコジーコと迷うのはこの時代のAFだからしかたないとしても、AFでピントが合わないときのMFの使いにくさと言ったらどうしようもない。加えて、露出を補正することもDXコードの関係で大変やりにくい。1.5倍の補正しかできないのだ。

 こんなカメラ、どうして使えるというのか。という腹立ちはおいて、実は、魅力的なものは、このボディに付くレンズなのである。オリンパスは、OM−4を生産し始めた80年代初頭に、実質的にはMFレンズの新開発を止めてしまっている。オリンパスのレンズを使おうとすれば、このAFレンズしかないのである。
 オリンパスのレンズなんてたいしたものではないよというなかれ、オリンパスは戦前・戦後には他社にレンズを供給するほどのレンズメーカーだったのである。そのためか、シャープでコントラストの強いレンズが多い。カラー時代になって、色乗りの良いレンズや柔らかめのレンズが再評価されてきたが、それまではニコンなどと同様に優れたレンズという評価であった。
 OM用ズイコーもメーカーの威信をかけたすばらしいレンズが綺羅星のようにある。しかも、オリンパスAFレンズはその流れを継ぐレンズなのである。

 しかし、このボディでは、そのレンズの使いこなしは難しい。測光系がボディ下に入っている関係でミラーが半透過になっている。その光量不足を補おうとファインダースクリーンに明るいものを採用しているが、これが実にピントを合わせにくくしているのだ。

 最後に注意になるが、オリンパスAFレンズは、MFのOMボディには付けることはできる。しかし、一度付けたらはずれない(~_~メ) 加えて、開放しか使えない。ピントは一番前のリングをつかむと回すことができるが、せっかくのOMボディがレンズ交換のできない一眼レフ、そうフジカST-Fの様になってしまうのだ。もしこのレンズをどうしても使いたかったら、鏡胴を交換するか、マウントを他社製に交換してマクロ専用とするしかないだろう。あるいは、残る方法としてのOM-101である。


to_top_page

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送