芦別岳登山(2006.6.18)

 先週の土曜・日曜と仕事に出たので、月曜・火曜が休みとなり、予てから考えていた芦別岳に登ってきた。芦別岳は、以前にも登ったことがあったのだが、ものすごいガスで、記念写真を撮っても自分の顔がぼんやりとしか写ってないような天気だったこともあり、もう一度登ろうと思っていた山だ。そういや、前回の登山では、カメラはハッセルブラッドとフジカGS645の中判2台だった。若かったのである。今回は、マミヤ7にレンズを3本(43mm,65mm,150mm)とオリンパスXAを持って行った。

 ちょっと用事があって、札幌経由で富良野市の太陽の里公園にはいる。ここは、芦別岳登山口があり、とてもきれいなキャンプ場になっている。とはいいつつも、キャンプなどしたことはなく、いつも車の中で寝ている。この方が面倒がなくて良い。ちょっと背中が痛くなるのが玉に瑕である。

 朝5時に起床。準備を始める。今回は旧道を登ろうと言うことで、いつもよりも慎重に用意した。本来なら三脚ははなせないのだが、軽量化のため、今回はパスした。実は後になってこれが生きてくる。登山口はキャンプ場の横の細い道をたどると砂利道の車道に出てすぐ入山届けのポストがある。少し歩くと、またポストがある。どうなってるんだかわからないが、2つも必要ないだろうと思う。そのうち登山道らしくなり、登りもきつくなる。とはいっても、左手に川の音を聞きながら徒渉はせずにずっと歩いていけるのはありがたい。1時間半ほど歩くと、本流と夫婦沢の二股に出る。ここで夫婦沢をわたるのだが、先週からの雨続きの天気と雪解け水で増水していて、登山靴を濡らしてしまった。今回は、スパッツを持ってこなかったのが敗因である。本沢の方をちょっと行くとユーフレ小屋という避難小屋があるそうだが、今回は前を通らなかった。

 そのまま登っていくと、登山道といいながらもほとんど川の中を歩いているような水量の水が流れている箇所が何カ所もある。ミズバショウとエゾノリュウキンカがきれいである。この夫婦沢をずっと上り詰める。やはり1時間半ほど登っただろうか、尾根に出る。ここが通称北尾根である。ここまで3時間ほどかかっている。3時間も沢登りをしたのかと思うと、今回の登山がいかに厳しいかと気持ちが引き締まる。(このころはまだ元気)

 左手に夫婦岩を見ながら今度は尾根歩きである。しかし、尾根といっても、まっすぐ登っていくわけではない。登ったり下ったりの繰り返しである。まるで、昔登ったペテガリ岳みたいだななんて考えているうちに、さすがにバテてきた。今回は尾根に出てから何カ所もトラバースしているが、それがほとんど雪渓である。これが急斜面な上に、足をとられて登りにくいったらない。仕方がないのでキックステップを併用しながら登っていくと、膝がだるくなり時間ばかりが過ぎていく。北海道新聞社発行の「夏山ガイド」というガイドブックには芦別岳旧道のコースタイムが5時間20分となっていた。(私のガイドブックは古いので最新のものは違っているかもしれません)まあ、5時間半もあれば、お花畑に着くだろうなんて考えていたのだが、とんでもない、6時間歩いてもまだ北尾根である。先ほどから左の太ももの筋肉が軽い肉離れを起こしている。天気は憎いことに雪渓の上ではほとんどが晴れていくのに、登るに従ってガスが出てきた。

 尾根を歩いていて良かったのは、とにかくどこも花でいっぱいだったことだ。エゾヤマザクラが咲いていたり、キバナシャクナゲも満開である。もちろん足下にもシラネアオイ、ニリンソウ、マイヅルソウ、その他名前の知らない花(これがいっぱいある(笑))が満開である。ところが、登るにつれて、何の木だろうか、松ぼっくりのような花が付いた木があり、それからたくさんの花粉が出ているのだ。あまり人通りがないこともあって、どうしても枝を払って歩くのだが、その度にその花粉をかぶってしまって、もう衣服もザックも黄色くなってしまった。

 それでも、あるいていくと、とうとう大きな2つの岩に出た。ガイドブックでは北尾根はだんだん険しくなっていって、「キレット」とか「ギャップ」とかいわれるところを通るとある。そうか、ここがそうなんだと思いつつ、その2つの岩を越えた。越えると言っても這い蹲るような感じである。めっちゃくちゃ高度感があり、やばい感じである。で、次はここを降りていくのだ。下の方に平らなところが見える。あれがお花畑だろう。左手はガスで見えない。ところが降り始めて5分ほどしてから考えたのだが、どうも夏山登山道にしては、険しすぎるのである。道はだんだんと急になっていく上、そのうちキャットウォークのように足場がほとんどなくなっていく。こりゃ、猫もびびるぞ。と、ここで、腕時計に方位磁針が組み込まれてあることを思い出した。向かっている方向は「西」である。地図では北尾根をまっすぐ南下し、(だから頂上から見ると北尾根)お花畑から東にたどると頂上である。西に進むわけがないのだ。道を間違えたことに気づいたものの、さっきの岩場を登らなければならない。猫がびびるところを人間が通るのだから、すんごく怖いぞ。

 間違えた場所は、先ほどの大きな2つの岩だった。ここまで戻ると、東の方に尾根が続いているのがガスの切れ間から見えた。それで、東に向かう。厳しい岩場はこれでほぼ終わったのだが、ここからはまた雪渓歩きである。また、ガスがかかってきて登山道がわからなくなる。しかたがないので、雪渓の一番上まで歩いて、雪渓の縁をぐるっと回って登山道を探す。もう、7時間以上歩いている。水が残っているのがせめてもの救いだ。

 そんなこんなで、頂上に着いたのが、登り始めてから8時間4分後。おそらく今までで一番長い登りだったと思う。頂上で一休みし、記念写真その他を撮っていたが、以前来たときほどガスが深くないものの遠望はきかない。そのうち午後2時を過ぎてしまったので、あまり遅くなると暗くなるので下山することにした。

 ガイドブックには、下山時雪渓で滑落注意とある。頂上直下に大雪渓があり、ここを滑るように降りた。斜度は30から40度ほどだろうか。とにかく、滑り始めたら止まらなくなりそうだが、歩きにくいこともあって、やっぱり滑ってしまう。おかげて太ももの筋肉が痛い。1時間弱で「熊の沼」に出る。ここからは、長い登山道歩きである。あちこちで藪を越えると、とにかく虫がいっぱいである。手で払うがどうにもならない。結局、左手と右の背中を中心にボコボコに刺された。それでも、休まずに降りていく。結局3時間ほどで新道を降りきった。

 帰りは、途中で水が切れてしまったので、公園のトイレ横の手洗い場の水をがぶがぶと飲む。女の子の手を引いた(おそらく)父親が、遠巻きに通り過ぎていく。きっとすごい格好なんだろうなと自分でも思う。自宅に下山の電話をし、帰り道の途中にある占冠温泉に寄った。ズボンが途中まで泥で汚れている上、体中黄色い花粉だらけの私をいやな顔せず入浴させていただき大変ありがたかった。恒例のアイスクリームは、今回は富良野ラベンダーアイスをいただいた。200円である。とってもおいしかったです。

 今回失敗したなと思ったことは、やっぱりスパッツを持って行かなかったことだろう。徒渉はともかく、雪渓歩きがこんなにあるとは思わなかった。おかげで靴の中がいつもぐちょぐちょで、よく靴づれにならなかったと思う。それと、ステッキもあれば良かった。また、虫除けの薬も持って行かなかったことも失敗だろう。今でも体中腫れている。逆に、今回良かったのは、膝サポーターである。私は、右膝が悪く、普段の生活では全く問題ないものの、山を下りるときに膝が痛んで歩けなくなるのだ。そのため、下山は登りと同じくらい時間がかかる。このごろでは無理をしているうちに右膝をかばって歩くのか左の膝も痛くなってきた。保温サポーターのようなものを付けてみたがあまり効果がないようだ。それで、この春旭川に行ったときに、スポーツサポーターを購入してみた。結構なお値段だったが、これで楽になるならと思ったのだ。
http://www.fuji-sports.com/shop/supporter/knee/kakudai_photo/reguard_kg_5.jpg
このタイプである。右膝にこのサポーターを使用し、左膝は保温サポーターを使用したところ、右膝は全く痛まず、左膝が少々痛くなったくらいで、下山できたのだ。今度は左膝用も購入しようかと思う。その他には、股関節も痛むのだが、これはどうしようもないようだ。やっぱり年なんでしょうねえ。

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