嗚呼 グラフレックスXL(2002.10.12)

 事の始まりは、Niftyの会議室だった。ある会員がこのグラフレックスXLというカメラを購入したというのだ。私は、初め、どんなカメラなのか、いったいどうやったら手にはいるのか、そういった情報が全くなかった。「そうなんだ、そういうカメラもあるんだ。」くらいの認識だった。Niftyは文字ばっかりの情報交換のため、どんなスタイルなのかすら知らなかったのである。

 ところが、インターネットでオークションを始めてみると、このグラフレックスXLが意外に安く出ている。ボディは、100ドル以下、レンズ込みでも300ドルもしないのである。しかも、そのレンズというのが、ツアイスだったり、ローデンシュトックだったりと、ドイツの有名ブランドばっかりなのだ。こりゃいいやということで、200ドル強のオークションに入札した。それが、どういうわけなのか、私しかビットしなかったようで簡単に落札できたのである。後から考えると、実はこれにはしっかりした理由があったのだった。(まあ、そういうものでしょ)

グラフレックスXL

 とにかく、送金して、10日もしないうちにカメラが届いた。ところがである。ヘリコイドが重いのだ。ぞれも絶望的にである。たしかに、オークションの説明には、ヘリコイドが少しきついと書いてあった。ところが、すこしではない。それで、力を入れて回しているうちに、なんと、ヘリコイドを回している爪が折れてしまった。これでは、ヘリコイドが全く動かない。

 加えて、レンズを取り外してみると、このレンズ、バルサムがはがれている。これについても、レンズはクリアということだったが、全くのうそだった。

 おまけに、レンジファインダーがずれている上、パララックスの補正が壊れている。

 というわけで、まったくのジャンクをつかまされたと言うことに気づいたのは、手に入れてから数日後だった。それで、早速メールを入れたが、なしのつぶて。全く応答がない。どうしようか考えたが、アメリカと日本ではどうにも成らない上、それほど高価なものでもないのであきらめた。

 しかし、何ともあきらめがつかない。とりあえず、爪だけでも直せば、カメラとしては使えるということもあって、その爪を何とかしようと思った。初めは、欠けたプラスチックのかけらを瞬間接着剤で取り付けたが、力がかかるのですぐにとれてしまった。これは、どうやっても難しいようである。プラスチックが駄目なら、金属があるさということで、アルミアングルを削って取り付けてみた。どうやら、これはよいみたいである。ところが、このアルミアングルをちゃんと削るのにはずいぶんと時間がかかる。今のところ、一つしか取り付けていないが、やはりちゃんと3つつけたいものである。時間があったら何とかしようと思う。

ヘリコイドの爪(アルミで再生したもの) ところで、上の写真に黒いカメラと白いカメラが写っているが、初めに買ったのは黒い方である。ヘリコイドの修理が面倒になったということもあり、たまたま出物があったということもあって、2台目に手を出したのだ。すると、前のものに比べて、ファインダーのガラスがちょっと変色しているが、ずっとましなボディが届いた。黒いボディはアメリカ軍の軍用タイプということで、白い方が一般モデルだそうである。やはり、軍用というものは使い方が荒っぽいというか、駄目である。軍隊というものはどうしようもないものらしい。

  レンズは、ローデンシュトックのヘリゴン80mm/f2.8である。バルサムははがれているものの、逆光でなければまあ大丈夫だろうということで、近々試写をするつもりである。それほどひどい写りではないだろうと思う。

 そうそう、フィルムバックが写真に写ってないが、実は附属していなかった。これは、YAHOOで相当安価にマミヤ用のフィルムバックを譲ってもらった。当然ながらモルトがへたっていたので、自分で修理交換をした。

 写真には写ってないが、この他にハンドルも附属していた。これがないと、何とも持ちづらそうなボディの形なので必需品といえよう。

 このタイプのカメラは、プレスタイプというのだそうな。同様のタイプには、リンホフプレス、マミヤプレスがある。リンホフをモデルに各社で作ったものだろうと想像しているが、今、このタイプがないところを見ると、流行らないというか、使いづらいというか、まあ、そういうものなのだろう。しかし、フィルムバック交換式でコンパクトでもあり、もう少し評価されてもよいのではと思う。

 マミヤプレスにも興味があるが、さすがに何台も同じものはいらないし、しばらくはこのカメラで遊んでみるつもりである。それよりも、もう1台フィルムバックが欲しい。とにかく、ポジとネガ、あるいは、ポジと白黒を同時に使いたいなどと言うときには最適のカメラだと思う。そして、フィルムバックを交換することで、6×9から、6×4.5まで対応できるというのもすばらしい。登山でも持って歩ける最大の大きさ・重さでもある。レンズはコンパクトだが、ちょっとヘリコイドがかさばるか。いずれにしても、まずは試写をしてみないと始まりませんね。

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