八剣山登山(2003.10.6)

麓から見た八剣山 マミヤ7 150mm/F4.5
シャッター 1/60 絞りf11

いや、登山と言うほどのこともない山である。もしかしたら、どこの山かわからないと言う人も多いのではないだろうか。札幌近郊にある山で、標高はわずか498m。ほとんどスーパーの値札のような標高なのだ。

 そもそも、この八剣山という山に登ろうと思ったのは、10月4日に小樽の朝里川温泉に泊まったことにある。この日、年に一度のKCJ(全国CW同好会)の北海道ミーティングがあったのだ。旧知の友人と楽しく語り合ったのだが、このところ、このメンバーで話題になるのが、無線の話ではなく、カメラと山の話なのである。話だけ聞いていると、絶対にカメラ関係のオフ会だと思うだろう。

 だいたい、集まるメンバーの中で私が一番若く、一番年上の方が70歳くらい。その方のカメラがEOS-1D。今回はそれをフルセットで持参。持たせてもらったが、勘弁して欲しい重さだった。いくら性能が良くてもこれを持って歩くかと思うと、ごめんなさいだ。プロなら仕方ないだろうと思うが、アマチュアの私が持ち歩きたい機材ではない。もう一人、こちらも60代の方が、ニコンD100を持ってきていた。こちらは、コンパクトで、これならいいなと思わせるくらいの大きさ。問題の電池は、普通に使っていれば、4日くらいは楽に保つのだそう。もっとも液晶は使わないということだった。

 私の機材は、今回、マミヤ7と65mmと150mm。特に変わったものではないが、大きさだけなら負けない(^^ゞ。しかし、軽いのだ。EOS-1Dとは比べものにならない。持ち歩くときに楽だということは、それだけ撮影に集中できるということなので、これなら、まだデジタルは早いなと思わせるに十分である。

 というわけで、翌日の日曜、朝の天気がすばらしい。こんなにきれいに晴れている休日はなかなかないということで、近くで軽く行ける山はないかということになった。さすがに9時に出発して、日帰りが出来、かつ、たいした準備のいらないところでないと、地図も持たずに行くことは難しい。それで、函館のMさんに調べてもらったところ、札幌近郊の八剣山がよいということになった。1時間もあったら簡単に上れるし、まず道に迷う心配がないこと、頂上付近がたいへん険しく、登ったという実感があるということだった。

 それで、朝里川温泉から山越えで定山渓に向かう。そこからちょっと札幌に戻ると、八剣山登山口のバス停が見えてくる。そこを左折し、少し走っていくと、目印となるトイレが見えた。クルマはそこに置く。たまたま、イベントをやっていて、その駐車場の人(たぶん、農協の職員か市役所の職員か)に聞くと、左手奥に登山口があると教えられた。

八剣山より西側を望む 砂利道を少し歩くと、たしかに登山口の看板が見える。もうちょっと行くと、登山口が見つかった。八剣山西登山口だそうだ。民家の横に川があり、そこに鉄の小さな橋が架かっている。それを渡り、少し歩くと笹藪に出た。藪こぎは誰でも嫌いである。特に、この時期の天気の良い日の朝は、露が落ちているので服が濡れてしまう。こちらは、今回登山のつもりが無かったので、登山靴こそ持ってきたものの、服装は、ポロシャツに普通のズボンである。だからこそ、低い山を探してもらったのだが。藪こぎは5分ほどだっただろうか、おかげでしっかりと濡れてしまった。そこから、登山道が延びる。わりにのんびり歩いていたのだが、道から外れたところで、キノコを採っている人に出会った。高山ではあり得ないことで、ちょっとほほえましい。ムキタケとナメコということで、見せてもらったのだが、なかなかよいサイズだった。

 そんなこんなで、のんびり行ったら、27分で頂上に着いてしまった。あれ?こんなに早く着いて良いのかな?と思うほどあっけない。これじゃ登山にならないなあ。汗が軽く出るが、さすがにこの時期、乾くのも早い。私は驚異の暑がり(年中半袖(^^ゞ)だが、それほど寒くはない。周りの人を見ると、しっかりフリースのウェアを着ている人もいたりして、いつもこの時期恥ずかしくなる。

 頂上はそれほど広くないが、たしかに、下から見る剣のような岩は迫力がある。定山渓周辺の山の紅葉は、2週間ほど早く、今度は紅葉の時期に来たいと思わせるに十分な360度のパノラマである。定山渓天狗岳、烏帽子岳、無意根山などがきれいに見える。頂上で、何枚か写真を撮る。あまり広くない頂上で長居をして、三脚を使うのも気が引けるので、30分ほどで立ち去る。実は、食べ物も持ってきていないし、ザックの中は、カメラとタオル(それも温泉でもらったもの)しか入っていないのだ。完全になめてかかっている。

 下山は、南コースを辿ることにした。せっかく来たのだから縦走しようということだ。縦走と言うほどのことはないが、ぐるっと回れば、それなりに面白いものでもあるかということだ。しかし、岩の基部を歩いているのが普通と違うことくらいで、何も変わらない。40分ほどで下の広場に着いた。イベント会場のど真ん中である。なるほど、これなら登山口がどこなのかわからなくても不思議ではない。登山口の横の道を、観光用の馬が歩いている。車に乗ったら、なんと雨が降ってきた。朝はあんなに天気が良かったのだが、頂上では雲も多くなり、だんだんと暗くなったのだが、まさか雨が降るとは思わなかった。雨具も持って行ってないので、降ってきたら濡れるしかないのだったが、こんなに運の良い山行も初めてである。

 今回、八剣山に登って、こんなに簡単な山なら、もう少し遅くなっても登山が可能だということがわかった。私は心配性というわけでもないが、普段は単独行なので、雪の降る時期の登山は控えている。北海道の雪山は、単独行で遭難でもしたら、あとで新聞に何を書かれるかわからない。しかし、このくらいの山だったら、単独行でも心配ないのではないだろうか。雪山装備といっても、アイゼンやピッケルも必要ないように感じた。雪が深くなければ、普通の登山靴と防寒装備で十分である。11月下旬くらいまでならたぶん問題ないだろう。

2003.10.22 写真挿入


マミヤ7 65mm/F4 シャッター 1/30 絞りF11

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