コニカ AutoreflexTC (2004.2.20)

 以前から手に入れていて、整備していなかったカメラがある。実はいくつかある(^^ゞ その一つがこれから紹介するコニカAutoreflexTCである。このカメラは、輸出仕様であり、国内ではAcom-1という名前で販売された。

 私のところに来たAutoreflexTCは、全体的に汚れ、ファインダーにゴミがいっぱいあり、張り皮が縮んでいるものの、取りあえずシャッターが動くという代物だった。露出計も特に問題ないようである。しかし、如何せん汚いのである。アメリカ帰りの帰国子女ってみんな、こんなに汚いのか(ちょっと問題発言(^^ゞ)わからないが、汚いのである。それで、手を付けずにしばらくうっちゃってあったのだった。 しかし、パノラマカメラも行き詰まってきており、どうしようかと思っていたところ、そういやこんなカメラがあったし、と、さっそくバラしたのだった。

 取りあえず、綿棒とレンズクリーナーを使ってあちこちの清掃をした。これでだいたい見られるようになった。ところが、ファインダーがゴミだらけである。このカメラは、当時のカメラの位置づけとしては、安価な入門用であったために、スクリーンの交換ができない。オリンパスOM−707などは、スクリーンの交換ができないという建前はあるものの、その気になればマウント側からアクセスして交換(つまりは清掃)できるのだが、そう言う仕様にもなっていないようである。ということは、どうしてもプリズムを外さなければならない。自慢ではないが、私は、軍艦部カバーは、いくつかのカメラで外したものの、未だかつてプリズムまで到達したカメラがないのだ。まあ、そこまでする前に何とかなるものばかりだったと言える。ところが、このカメラはどうしてもプリズムを外さなければ清掃できない構造なのである。

軍艦部を外したAutoreflexTC やらなきゃしかたないなら、やるっきゃない。覚悟を決めて、軍艦部を外した。今までいろいろなカメラをいじったが、このカメラは、プリズムの上に小さな基板が載っているタイプである。フレキシブル基板(いわゆるフレキ)ではなく、ベークライトの基板である。この基板をうまくずらして、ペンタプリズムを押さえている金具を外す。そして、その金具の下から、プリズムを外した。次には、コンデンサーレンズが入っていた。へえ、コンデンサーレンズってこんななんだと感心しながら、次のスクリーンにアクセスした。左の写真は、スクリーンが傾いて写っているが、清掃後にスクリーンを取り付けようとしているところである。清掃そのものは、実に簡単である。別に濡れてこびりついているわけではないので、ブロアーで吹いて、それでも取れないゴミを筆で落としたくらいである。

 ところがこれからが問題であった。調子よくブロアーで吹いたら、なんと露出計の針の文字盤まで飛んでしまった。ところが、この文字盤、どうやってもうまく付かない。何度かいろいろやっているうちに、この文字盤をカメラ内部に落としてしまった。真っ青になって、ああ、ミラーボックスを外さなければならないのかと思いながら、逆さにして振ってみたがどうやっても出てこない。しかたがないので、底蓋を外した。すると、底蓋のところから出てきた。ほっとした瞬間である。

 しかし、相変わらずこの文字盤が付かない。そこで良く周りを見回してみると、どうやら、一番下から、スクリーン、文字盤、コンデンサーレンズ、プリズムとあるが、この順に入れてもきちんと納まらないことがわかる。いくらなんでもこんな構造にしたら、生産性が悪くて工場がストップするだろうから、なんらかの方策があるに違いない。ということで、よく見ると、スクリーンとコンデンサーレンズを収める枠が独立していた。この枠を取り外し、そこにスクリーンなどを入れる。これで何とか納まった。ほっとして組み立て、全体が仕上がった後、よく見ると、ファインダーに写る画像が斜めになっている。どうなっているんだと思いながら、またバラしてみると、プリズムがきちんと納まっていなかった。改めて、もう一度収め直しをした。

 何度か、スクリーンを入れたり、出したりしているうちに、どうやらスクリーンに傷を付けてしまったらしい。スクリーンが交換式ならすぐにパーツが出るのだろうが、そうでないカメラのスクリーンはメーカーしか持ってないだろう。メーカーから分けてもらうのも何だし、このまま使うしかないのか。他のメーカーのスクリーンを入れるという手もあるが、露出の値が変わりそうである。測光用のSPD(もしかしたらCdSかも?)は、接眼レンズ脇に2個並んでいた。このタイプは、スクリーンを交換すると、露出値を調整しなければならないが、今の私のスキルではとうてい無理である。

 まあ、とにかく、ネジが余らずにカメラが組み上がった。あとは、モルトプレーンを交換するくらいで終了である。パノラマカメラといっしょに整備しようと思う。

 そうそう、このカメラの張り皮は、メリヤス地に発泡ポリウレタンを張ったものだとのこと。ところがこのポリウレタンが、経年変化で縮んできていて、実に感じが良くない。もちろん補修パーツとしては、もうメーカーにあるわけもないだろうから、きちんと使うなら、何かに張り替える必要があるだろう。そういや、張り替えると言えば、ヤシカFX−2も補修を待ってどこかにあったなあ。今度は、このカメラの紹介になるかも?

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