43mmNDフィルターの改造(2003.2.11)

 私の手元にあるレンズで、最も大口径なのは、オリンパスズイコー250mm/f2である。このレンズ、最大口径が125mm、重さが3.9kgと、とてつもなくでかい。なんでこんな大きなレンズを使っているかというと、そりゃ必要だから。撮影対象が、室内スポーツなのだ。バスケットやバドミントンなどを撮ろうとすると、知っている人は知っているだろうが、いくらでも大口径レンズが欲しくなる。直射日光が眼にはいると試合にならないので、昼間でも暗幕を締め切って行うのだ。すると、ISO800のフィルムを使っても、1/4sなんていうことが現実に起こってくる。プロはどうやって撮っているのだろうかと、とても不思議になるのだ。そのための大口径レンズとして重宝している。ギャラリーから撮ると、この焦点距離もぴったりだし、コートから撮るときは、50〜100mmが使えるので、これよりも明るいレンズが使えてありがたい。

 ところで、このレンズだが、ただ明るいだけではない。その描写がものすごく良い。スポーツ撮影だけに用いるのはもったいないのだ。といっても、趣味の登山には絶対に持っていきませんけど(^^ゞ。屋外で使っていて、不便というか、使えないというか、そういうときがある。それは、この大口径を開放付近で使いたいときだ。特に、ポートレートなどで全身を撮ると、バックが全てぼけてしまうのに、本人だけはきちんと被写界深度内に入っているという写真が撮れる。こればっかりは、コンパクトカメラでは絶対無理。35mm一眼レフを使わないとできない写真の典型だろう。

 しかし、屋外でf2の明るさというのは、朝、夕でもないとシャッターが追いつかない。振り切れてしまうのだ。低感度のフィルムを使っても、晴れていると日中では相当厳しい。もちろん、こういうときはNDフィルターなのだが、このレンズは後部差し込み式なのである。他のメーカーでは、このクラスのレンズもモデルチェンジが行われているので、いろんなフィルターに対応しているが、悲しいことにオリンパスはこの白レンズのモデルチェンジは行わなかった。そのため、使えない(メーカーが用意していない)フィルターがずいぶんあるのだ。

 もっとも使いたいのは、PLフィルターだ。風景写真には必携のフィルターだろう。しかし、これは無理。フィルターホルダーを大改造しないと使えそうにない。

 今回は、NDフィルターの改造を行った。

フィルター枠を粗砥で研ぐ  まず、最初に、フィルター枠からガラスフィルターを取り外す。精密ドライバーなどで、ガラスを止めている金具を引っかけるようにして取り外した。
 次に、そのフィルター枠を砥石で研ぐ。このときに、あまり力を入れすぎると、フィルター枠そのものが変形してしまって、後でフィルターホルダーに入らなくなるので注意しなければならない。砥石は、いわゆる粗砥というもので、普通のものでOKといっても、この頃はあまり普通の家にはないのかもしれない。ホームセンターなどで1000円程度で購入できる。
 フィルター枠を研ぐときは、少しずつ回しながら研いでいくと、一部が大きく削りすぎなくて良いだろう。
 適当に削ったら、何度か水で洗って、切削面を確認する。ガラスフィルターを押さえておく関係で少し内側が出っ張っているので、そこまで削ったらOKである。
研ぎあがったフィルター枠  これが、削りあがったフィルター枠。写真で見ると、Kenkoの文字が半分くらいになっている。およそ、2mmほど削ったことになる。
フィルターホルダーに取り付けてみた  フィルターホルダーに入れてみた。実際には、こうやって取り付ける前に、反射防止用にタミヤのプラカラー「XF-1」フラットブラックという色を銀色の面に2度塗りする。なお、フィルター枠はアルミニウム系の金属だった。
 その後、外したガラスフィルターをはめ込めが完成である。
 完成した改造後のNDフィルター(×4)。これを使うと、1/4000sまでの光に対応できる。(はず) これよりも、強い光の場合は、46mmのND8のガラスと交換するか、この上に、ゼラチンフィルターを貼り付けるかすると良いだろう。

 このフィルターの欠点は、フィルター枠に書いてあった文字がほとんど読めなくなることだが、実際に使うときには、まず問題にならないだろう。

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