OM-2のレストア

トップカバーを開けたOM-2 先日、e-bayでOM-2とZuikoレンズを5本・ストロボで600ドルというものを落札した。まあ、この価格なら少々使ってあってもしょうがないかと思ったが、何と届いてみたらレンズは5本ともカビあり、ボディは電源が入らずというひどい代物だった。レンズは、35mmF2と24mmF2のみオリンパスSSに修理に出した。なんと24mmはレンズの交換もするほどだった。他のものは修理代金もかさむこともあり、取りあえず自分で何とかしようということにした。

 50mmF1.8は、バラしてみたらレンズブロックの内側にカビがあり、どうしようもなかった。清掃できるところまではきれいにしたが、しようがない。他の2本のズームはあきらめることにした。

 さて、ボディである。全体に汚い。ミラーやスクリーンが汚れている。巻き上げ、シャッターのチャージ、シャッターそのもはきちんとしている。いろいろいじってみたら、電源スイッチを切り替える時に時々電源が入るみたいだ。おそらく電源スイッチの接点不良だろう。このスイッチも出来合いのものなら修理不可能なんだがと、思いながらばらすことにした。

 トップカバーを開ける。巻き上げレバーを外し、巻き戻しクランクを外す。そしてシンクロの接点を外すとすぽっとトップカバーが外れる。なお、巻き上げレバーの蟹目は蟹目レンチを使ってもよいが、これは単なる飾りなので、ゴム栓などで外すのが正解だろう。巻き戻しクランクの2本のネジも忘れず外さないとトップカバーは開かない。

 右の写真は、トップカバーの外れた状態である。この状態で逆さまにすると、左手上に見えるバネ(裏蓋のバネ)とシンクロのところの金具が2個、露出計ユニットの透明のドーナツ状カバーが落ちてくる。

 写真で気づくと思うが、シンクロ接点の下にあるモルトプレーンがベトベトになっている。これも清掃する必要がある。

 まず、一番に気になるのは、プリズムである。これだけモルトプレーンが溶けていると、プリズムへの影響も必至である。分解前のファインダーではそれとわからなかったが、清掃後はっきりとファインダーにシミが見えるようになった。モルトを清掃したため、いっしょにメッキも剥がれてしまったのだ。これは、清掃が悪いわけではなく、モルトプレーンが溶けてしまったものがすでにメッキの下まで浸みていたということだろう。プリズム部アップ

 プリズムを元に戻す時に溶けてしまったモルトプレーンの代わりだが、これは何も用いなかった。もともと、ここにモルトプレーンを使ったのは、接眼部やシンクロ接点からの露光を心配してのことなのだろうが、それはほとんど問題にならないからである。実写をして露光しているようならあらためて対策を取ればよい。

 プリズムの写真を見ると、プリズム押さえの金具を固定しているネジが見事に錆びている。前のユーザーはよほど湿気の多いところに保管していたように思える。ネジの頭は、指で強く擦ってさびを落としておいた。ここでヤスリなど使うとかえって後から錆びやすくなるからである。

プリズム押さえ金具の上にシンクロ接点を支える金具があるが、ここもモルトプレーンを清掃した後にドライバーの先で磨いておいた。ここはシンクロ接点と単に接触しているだけなので、きちんと磨いておかないとストロボが使えなくなることも考えられるのだ。おそらく燐青銅だろうと思う金属だが、青く緑青が葺いていた。

 モルトプレーンは、竹串の先を平にしたもので少しずつはがしていく。固くなっているものはレンズクリーナーを綿棒にしみこませたもので湿らせ、柔らかくなったところで作業を続ける。その後だいたいとれたところで、乾いた綿棒で磨くようにカスをとるのである。気が遠くなるような作業だ。

 ついでだが、ファインダー接眼レンズも清掃しておく。接眼レンズユニットは、プリズム押さえ金具を取り付けている手前のネジを2本外すとすぽっとはずれる。しかし、接眼レンズブロックはそのホルダーから取り外せず、そのまま裏側を清掃するのみとした。気をつけることは、このブロックには左右から3本ずつ、計6本の配線がある。ファインダーアイピース横にCdSが取り付けられているからである。この配線を切ると、マニュアル/オート共に露出計が動作しなくなる。まあ、配線には余裕があるので、それほど心配しなくても良いと思う。こちらは、少々カビがあったが、清掃してきれいになった。左上のレンズがわずかに欠けているが、ファインダーを覗く限りではそれは全く気にならない。それにしても、ファインダーの接眼レンズなんてどうやって割ったのだろうか。

OM-2のスイッチ周り OM-2のスイッチ部の修理に移ろう。スイッチは心配していた一体型のものではなく、すべてがバラバラになるものだった。下の基板はガラスエポキシ、上の基板はベークである。ベークの切り欠きにトップカバーのスイッチの金具を引っかけて回すタイプで、クリックなどはすべてトップカバー側に付いている。

 単なる接触不良なので、中心のマイナスネジを外して接点を取り外す。接点クリーナーをしみこませた綿棒で下の基板を力を入れて擦った。

 上の基板は、接触する点をヤスリで擦った上にさび止めも兼ねてやはり接点クリーナーでしっかりと擦っておく。ここでは、間違っても直接接点クリーナーなどを掛けてはいけない。

 それで、ここで問題が発生した。3枚目の写真のスイッチに赤い線がつながっているが、これが切れてしまったのだ。もちろんこれは、しっかりと半田付けを仕直した。

 では組立なのだが、実はこれが一番難しかった。スイッチの位置をいろいろと変えたため、スイッチの切り欠きにトップカバーのスイッチの金具がきちんとはまらないのだ。何度もやっているうちにベークの基板が曲がっていってしまった。このスイッチは、単に電気信号を切り替えるだけではなく、スイッチの下でファインダーの表示を入れたり出したりしているので、重要な役目をしているのだ。

 それでもなんとか組み立てる。ああやっと終わったと、外側をふいていたら、なんと前側で導線を挟んでいたのを見つけた。また、やり直しである。ただ2回目は、スイッチには手を出さないのですんなりとはまった。

 できあがってみて、いろいろいじってみる。露出計は動いているようだ。ただ、感度が少し変である。室内のものに向けるとだいたい合っているようなのだが、空の露出を測ると、だいたい1 2/3Evほどオーバーになる。これだけ露出が変わるとネガでも使えない。

 しかし、ここからがおもしろいのだけれど、OM-2はオートの露出値がたとえば、f5.6で1/125sを示していても、実際に切れるのはこのシャッタースピードとは限らないのだ。表示は単にマニュアルのスピードを指しているだけで、オートの測光は、全く別の回路となる。そのため、ファインダー内の表示がおかしくても、オートで撮る分には適性露光となるのだ。マニュアルでは露出計は使えないが、シャッターそのものが壊れているわけではないので、単体露出計やフィルムの箱露出計(^^ゞでも使えないことはない。(実際は面倒なのでオートを使うことになるだろう)

レストア終了後のOM-2

ここまでやったら、ついでなので、張り革も変えてみた。前の革は裏側に砂粒が付いていて、剥がれかかっている上に、なんとなく汚いのだ。

 革は、以前東急ハンズで買ったもので、40cm四方で1000円くらいのなめして着色した牛革である。これにOM-2の張り革を載せて裁断し、裏に両面テープを使って貼り付ける。

 注意点をいくつか。まず、前面向かって左側のセルフタイマーだが、ネジは逆ネジである。蟹目レンチかゴム栓を使って右にねじると緩むようになっている。セルフタイマーをばらして清掃し、張り革を丁寧に剥がす。

 次に、革は一様な厚さなら良いのではない。剥がれにくいようにするために、縁を薄く削ぐ必要がある。堅めの人工素材ならこんな必要はないのだが、天然素材(本革)なため、伸びたりするのだ。専用の刃物は高いので、オルファカッターから出ているそれっぽいカッターを使った。

 皮を張り付けるのは、ゴムボンドが一般的だと思うが、今回は両面テープを使った。ここでケチって縁にしかテープを使わないと、カメラを握った時に革が浮いてしまって塩梅が良くないので、全面に両面テープを使うこと。ボンドよりも両面テープの方が使いやすいと思う。なにより一様の厚さにすることが簡単である。

 私が使った革は、なめしが強いのか少々柔らかかった。厚さは充分なのだけれど、カメラを握ると下のネジなどが感触で分かる。これでも良いのだけれど、そのうちに手に入ったらトカゲなどの皮にしても良いかなと思う。

 それと、せっかくオート専用機なのだから、ファインダースクリーンも取り替えようかと思う。スクリーンを取り替えるとファインダーの指示値が変わるが、オートのシャッタースピードは影響を受けないのだ。これを利用しない手はないと思う。難点は、純正の2-4,2-13のスクリーンがすでに市場にはなく、オークション頼みとなることだ。今、新品で8000円ほどするので、他のメーカーのものも検討してみたい。もっとも、手元にもいくつかあるんだけど、改造するのももったいないし、OM-2S/Pにも使いたいんですよ。

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