リケノン55mm/F1.2(2003.6.5)

 所用で札幌へ出向いた折り、例によって中古屋を簡単に巡った。いつもは、ここは高くて敬遠しているという店なのだが、近くに来たついでというわけで、ちょっと寄ってみたところに、格安の標記のレンズリケノン55mm/F12.があった。なんと5000円である。F1.2と言えば、最高に明るいレンズの部類。もうこれ以上といえば、指折り数えるほどしかないという明るさのレンズである。それが、わずか5000円。とりあえず見せてもらうと、現状渡しということだが、特にカビなどは見られない。どうして現状渡しなのかよくわからなかったが、内心しめしめと、すかさずゲットした。

 さて、家に帰って、レンズをいそいそと取り出し、よく見ると、わずかにスレがある。まあ、この程度なら問題ないだろうと思った。一番の問題は、私がKマウントのカメラを持っていないことである。まあ、たいした問題ではない。そのうちにボディがマウントから生えて来るというのは、みんなが言っていることだ(^^ゞ というわけで、いろいろかちゃかちゃと遊んでいたら、あれ? 絞りが動かない。絞りリングは問題なく動くのだが、実際の絞りがまるでスローモーションのように動くのだ。Kマウントはレンズを外した状態で絞られており、ボディにつけると、開放になる。レリーズの瞬間、また、実際の絞りに戻るのだが、戻りが遅いと、露光中に絞りがかわり、露出オーバーになること間違いない。ペンタックスLXのようなダイレクト測光のカメラなら、多少は問題ないかもしれないが、普通のAEやマニュアルカメラなら露出の問題が起きることは間違いない。

 修理に出そうかとも考えたが、5000円のレンズに8000円の修理代はもったいない。自分でばらしてみることにした。以下、その経過を書きます。

1.これが購入したリケノン50mm/F1.2レンズ。見た目はたいへん美しい。これがわずか5000円とは、ちょっと見には信じがたい。
2.レンズ銘板を生ゴムを使って回し外しているところ。この生ゴムは、東京のカメラのキムラから通販で手に入れた。欲しい方は、ネットで問い合わせてみてね。中空なのでレンズに跡が付かないという利点もあるが、歪んで力が入りにくいという欠点もあり、一長一短である。今回はすんなりと外れた。
3.1枚目のレンズを外したところ。このレンズの分解は、レンズ銘板、第1面レンズ、鏡胴、第2レンズブロックを外すと、絞りが見える。ここまで使った工具は、生ゴムと、蟹目レンチ、精密ドライバーのみ。
4.第2レンズブロックを外し、レンズを上から見たところ。この状態で、絞り羽にベンジンを垂らし何度もふき取った。しかし、きちんと完全には動かなかった。そのため、絞り羽を押さえているドーナツ状の円盤を外したら、絞り羽がバラバラになった。その後、その下にある金属板を外したら、絞り羽を元に戻したのに、絞りが全く動かなくなった。そのため、今度は、裏側からばらし、中の構造を確かめ、組み直した。ここまでで2時間以上かかった。絞り羽はばらしても、その下の金属円盤を動かさない方がよいことがわかった。けっこう、組み直すのはたいへんだった。

 一応、完全に組み直したが、やはり絞りはきちんと動かない。それで、もう一度分解し、今度は絞りの羽に「カギ穴のくすり」というボロンを成分としたスプレーを拭いてみた。これで絞りf8くらいまでは、問題なく動くようになったが、やはりそれ以上は動きが悪い。

 今のところ、ここまでしかできていないが、次回は、絞り羽をもう一度分解し、ベンジンで洗ってみようと思う「カギ穴のくすり」は効果は高いが、乾燥すると白い粉状になり、見た目があまり良くない。ペンジンで済むならそれに越したことはないだろう。

2003.6.8追記

 思い立って、絞り羽を完全に分解し、ベンジンで洗った。その後組み直したが、今度は絞りが動かない。また、マウント側から分解しているうちにバネが外れる。うまくバネを引っかかられないので、バネを止めているネジを外したら、そのネジを紛失してしまった。どこを探してもでてこない。しかたがないので、オリンパス トリップ35のネジを拝借した。これで完全にジャンクになってしまった。おまけに、このバネを引っ張っているうちに、バネの張力が足りないことに気づいた。それで、バネを3ターンカットした。すると、今度はバネが強くて良いと思っていたら、バネをのばしてしまった。ああ、もうどうにもならない。やっぱりジャンクだ。これまたしかたないので、今度は、使い捨てカメラ(レンズ付きフィルムともいう)をばらして、少し太めのバネを拝借した。

 その後きちんと組み直したら、今度はたいへんすばらしく動作する。絞り羽は、ベンジンで洗っても、まだボロンの粒子が残っているようで、やや白くなっているが、このままにしていた方が良さそうなので、汚いような気がしたが、あえてそのままにした。

 さて、ボディである。レンズだけあってもどうにもならないし、Kマウントはアダプターというものがほとんど存在しない。(実際にはK−αというものを持ってます)それで、やっぱりここは純正ボディでしょうと思い、やはりe-bayでリコーのXR-500を落札した。こちらもジャンクである。オーストラリアからお輿入れだが、価格はなんと10ドル。これについては、次回に書く予定です。

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