タムロン 24-48mm/F3.5-3.8(2004.4.6)

 性能はそれほど大したことがないだろうと思っていても、欲しくなるレンズってあるものである。今回が実はそれ。タムロン24-48mm/F3.5-3.8というレンズ。型番は13A。1980年に出たレンズで、数えてみれば、もう四半世紀も前のレンズだ。
 では、どうしてそんなレンズが欲しかったのかというと、アダプトール唯一の広角ズームだからである。タムロンのレンズは、レンズメーカーの例に漏れずズームレンズから発展してきた。ズームレンズというのは、初めは望遠レンズである。それは、望遠レンズの方がアラが目立たなかったためであろう。そして、標準レンズが普及し、広角レンズに進んできたのだ。ところが、この広角ズームが普及する頃とAF時代が重なってしまう。そのためもあってか、アダプトールシリーズでは、28-50mmというレンズはあるが、それよりも短い焦点距離のレンズがないのだ。

タムロン 24-48mm/F3.5-3.8 それで、いくつかの資料から、このレンズを見つけだし、是非使ってみたい、というよりも、是非所有したいという気持ちで、いろいろなところを探していたのだ。ところが、田舎ゆえ販売店では全く見かけず、Yahooオークションにもなかなかでてこないので、このレンズも例に漏れずe-bayで落札したものである。強気で勝負したので、結構なお値段だった。

 ところが受け取ってみて気づいたことだが、フードが付いていない。この時代のタムロンのレンズは逆光にあまり強くない。28mm/F2.5ほどではないだろうが、やはりフードは必携である。タムロンのHPを見ると、専用のフードがあったようだ。しかもどうやら花形フードのようなのだ。それでレンズ先端をよく見ると、一見フィルター枠のように見える切り込みが実は単なる同心円のハレ対策の溝だということがわかった。これではどうやっても市販のフードが付かない。

 ということで、またまた考えるわけだが、今回は、キヤノンのフードを使うことにした。キヤノンの24mmレンズに使用するフードが実はレンズ先端径(普通はフィルター枠径)がぴったりで、かつ焦点距離も広角側が一緒ということで、仮に削ったとしてもわずかで済むことがわかった。それで、ヨドバシカメラでご購入と相成った。

 さて、フードをよく見ると、バヨネットが付いている。それも3本爪である。レンズ側は2本爪なのだ。要するに、加工しないと付かないということだ。それで、まず、フードの内側から押さえのプラスチックの金具を精密ドライバーを使って取り外した。ボンドで簡単に付いているが、ちょっとこじると取れた。

 次にレンズにあてがって見当を付け、削り始める。ところが、プラスチックとバカにしていたのだが、どうもエンジニアリングプラスチックのようで、結構な固さで思ったよりも作業がはかどらない。次に購入するのはレンズではなく、絶対ルーターだなあなんて思いながらギコギコやっていくと、何とか格好が付いてきた。何度もレンズにあてがいながら、取りあえず先端が入るところまで削った。

 次は、バヨネットの引っかかりである。これは爪を薄く半分に削る必要がある。それで、木工道具の"毛引き"というものを使った。木どりをするときに使う道具である。これで強く押しつけると、溝ができるので、それを目安に彫刻刀で削っていく。本当ならもっと大きな爪が欲しいところだが、取りあえず爪ができた。

 さいしょに外したプラスチック枠を取り付けると、今度はレンズの爪の厚さが厚いことに気づいた。そのためには、プラ枠を少し浮かせてやる必要がある。それで、今回は、フードの内側にタコ糸を接着して、その分プラ枠を浮かせ、レンズバヨネットが通る隙間を作った。すると、今度はぴったりである。

 上の写真が、そのフードを付けたところである。実はまだ加工途中で、このあと、不必要な溝をパテ埋めし、レンズの取り付け指標を何かシールのようなもので取り付けようと思っている。バヨネットは結構難しいのだ。

 さて、このレンズの写りだが、例によってまだ1枚も撮っていない。フード加工に力が入っていたということと、北海道はこの時期全てが茶色の世界なので写真を撮る意欲がわかないということが大きい。せめて野草が芽を出す頃に、接写リングといっしょに持ち出そうかと思っている。

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