トヨ-ジナー変換ボードの製作 (2007.8.12)

 大判写真のレンズというのは、35mmや中判と比べて大変融通が利きます。この頃はマウントアダプターが流行していて、一部は利用可能で、かくいう私も持っている訳なんですが、そんなのに比べると、大判は天国のような何でもありの世界です。

トヨ-ジナー変換ボード でも、さすがに制限があって、それは、レンズによってはカメラを選ぶということくらいでしょう。
 それはどういうことかというと、1つめにはフランジバックの問題です。これは、35mmも同じですからわかりやすいと思いますが、カメラによっては広角レンズが使えなかったり、使えても大幅な制限があったりするということです。わかりやすく言うと無限が出ないと言うことですね。あるいは、蛇腹の関係でアオリがほとんどできないこともあります。
 逆に望遠レンズが使えないと言うこともあります。大判の場合は、望遠レンズというよりも超焦点レンズが一般的ですので、480mmのレンズはフランジバックがほぼ480mmとなります。すると、蛇腹がベローーーと伸びるんですが、カメラによってはそんなに蛇腹が長くありません。
 2つめの問題は、レンズというよりもシャッターの問題です。有名なところでは、ホースマンのボードは大変小さいので3番シャッターをつけると、ボードを取り付けられません。後玉が引っかかるのだそうです。私はホースマンを使ったことがないので詳しくありませんが、後玉を後ろから取り付けるとつくという話もあります。いずれにしても蛇腹に引っかかってアオリに制限が出そうです。
 3つめは、シャッターのないレンズを使いたいときに困ります。これはいくつか方法があって、がばっと絞ってレンズキャップをシャッターの代わりにするという単純なものから、ジナーシャッターやスピグラを使うという高度な方法もあります。

 その他は本当に何でもありの世界です。ところで、そんなことをやっていると、用途によってレンズやカメラ(ボディ)が増えていくのは35mmの比ではありません。35mmは一眼レフがあればほぼ万能で、せいぜいレンジファインダーを追加するくらいですが、大判は、重たいせいもあって、スタジオ用、屋外用、ブツ撮り用、etc.といくつもボディがほしくなります。といっても、現実にはお金の問題や置き場所の問題もありますから、そうそう増やすわけにもいかないんですね。

 すると、何でもありのレンズなんですが、カメラに取り付けるボードの種類が増えてきます。全部同じものを選べばそれはそれでよいのですが、ビューカメラと暗箱では使い勝手から言ってもボードは当然大きさが変わってきます。例外は、リンホフでしょうか。リンホフはビューもテクニカル(スーパーテヒニカ)も同じボードだったはずです。

 私の場合は、ビューカメラがジナーF2、テクニカルビューがトヨフィールド45Aです。ジナーには、リンホフ-ジナー変換ボードというのが存在します。また、トヨもリンホフ-トヨ変換ボードを販売しています。しかし、世の中のどこにもトヨ-ジナー変換ボードというのはないんですね。なければ作っちゃえというのが私です。以前から作ろうと思っていたのですが、この夏休みは、天気が悪かったり、家族がそろわなかったりということで、まとまった時間もなく、こういう工作をするにはちょうど良い期間となりました。

 例によって、材料は基本的にはアルミです。ベースは2mmのアルミ、上下のトヨボード制限用の板もアルミ、トヨボードを押さえる部分だけ1mmの真鍮としました。真鍮を工作していると、いかにアルミが柔らかいのか身にしみてきます。切ったり曲げたりするのに一苦労しました。塗装は、100円ショップで売っていたスプレー式の塗料を使ったのですが、色はともかく擦れるとすぐにはがれてきて、やっぱり安物なのかなと思いました。

 写真に写っているのは、シュナイダーのスーパーアンギュロン65mmF8です。これは、写真家の渡部さとるさんがその著書「旅するカメラ2」の中で書いてある銘レンズです。とは言っても、そんなに珍しいものではなく、e-bayならよく見つかるレンズです。ただ、このレンズ、4x5で使うとイメージサークルがぎりぎりの上に周辺光量落ちが大きく、アオリもできないし、ビューで使うにはあまり使いやすいレンズではありません。プレスフォーカスレバーもないので、レンズの操作を前に回ってするのは結構面倒なのです。写りはいいんですけどね。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送