フォクトレンダービトマチックII(2003.5.5)

 前回、e-bayで落札したヤシカFRのレンズが必要になった。50mmだけだとやっぱり何となく写真を撮ろうという気にならない。いや、50mmだけでも不足はないのだけど、やっぱりそういう理由がないとレンズを買えないと言うべきかな(^^ゞ

 それで、ツアイスのレンズを買うのもなんだし、どうしようか考えていたら、そういやタムロンのレンズを3本も持っていることを思い出した。アダプトール2である。ご存じの方も多いと思うが、タムロンはいまだにMFレンズを作っていて、それがアダプトール2という互換マウントになっている。ボディに合わせてマウントを買い足せば、ボディを交換してもOKというありがたいシステムである。

 実は、わかっているようでわかっていないんだけど、とにかく、今持っているOMマウントとコニカARマウントの他にヤシカ/コンタックスマウント(Y/C)を買えばよいということだ。新品を買うと、定価が7000円なので、中古を探した。中古といっても、私が住んでいる田舎にそんな中古物件があるわけでもなく、当然yahooである。あるある。だけど、結構なお値段なのだ。2000円から3000円と言うところか。だけど、考えてみれば、このくらいのものなら、海外から送ってもらってもそれほど送料もかからないだろうということで、e-bayも調べてみた。すると8.5ドルであるじゃないか。これこれ、ということで落札。出品者は、今回はオーストラリアだった。オーストラリアって、初めての取引になるが、郵便で送ってもらう場合、送料が安くてうれしい。海外の場合、ヨーロッパなどが一番高く、その次にアメリカ、そして、アジア、オーストラリアが一番安い。こりゃいいやというわけで、ついでというわけでもないが、同じ出品者が出していた。フォクトレンダー/ビトマチックIIを落札した。37ドルだった。送料込みでも日本円で8000円でお釣りがきた。これだからe-bayはやめられない。

 3週間ほどで、カメラとアダプトール2リングを受け取った。アダプトール2リングは、ただのリングだから、ぶつけていたりしない限りどうということはない。レンズに取り付けてみたら問題なく動作する。これで、とりあえずヤシカFRに使えるレンズが3本増えた。

ビトマチックII 問題は、ビトマチックIIである。使い込まれたボディだが、この時代のフォクトレンダーはやたらとメッキが厚いので、日本製のブラックボディのようにはげることはまずない。とにかくボディはぴかぴかである。シャッターはということで、チェックしたがこちらも問題なし。

 ところが、改めてファインダーをのぞくと、どうもファインダーが曇っているのである。いや、それほどひどいものではない。しかし、何となくぼやっとしているのだ。せっかくの大窓なのに、これではがっかりである。そこで、自分でトップカバーを外して修理というか清掃することにした。

 なにしろ、修理に出すと、ずいぶん取られそうである。ファンダーの清掃くらいならできるだろうと高をくくったのだが、これが大間違い。見えている限りのネジは全部で3本である。フォクトレンダーはいろいろ仕掛けがあるので、これだけではないだろうと思ったが、このネジ3本だけではトップカバーは外れない。

 いろいろなHPで聞いてみたら、巻き戻しノブを外して、その陰にネジがないかということだったので、巻き戻しノブを外しが、そこにはネジはなかった。どうもアクセサリーシューが引っかかっているようだということで、シューのストップピンをぐりぐりやったが、ピンのメッキが傷ついただけだった。どうなってんだということで、トップカバーを揺すってみたら、なんとするりと外れた。なんのことはない、トップカバーがあまりにもきっちりとはまっていたので、まるでシューが引っかかっているように感じただけだった。

 外してみると、ファインダーそのものは、ほぼ完全に密封されていて、清掃のしようがない。よく見ると、曇っているように見えたのは、距離計のハーフミラーのようである。これを拭くとハーフミラーが剥がれると聞いたことがあるが、水で軽く拭いてみた。いくらからきれいになったような気がしたところでやめた。これ以上やると、取り返しが付かなくなりそうだからである。

 カバーを戻して、よく考えてみると、そういや視度が合ってなかった。視度補正レンズなんて純正にあったかどうかすらわからないほど時間がたっているし、仮に純正品があったとしても、もう手に入らないのは間違いないのだから、代替品を考えるしかない。今回は、ニコンの視度補正レンズにモルトプレーンを両面テープで貼り付けて使った。これで、いくらかファインダーが見やすくなった。それでもやはり距離計像が薄い感じだ。また、距離計が縦にずれている。そのうちに直そうと思う。

 その他の問題点は、ほとんどない。とりあえず露出計も動作するようである。もっともCdSなので針がぐにゃっと動くのがおもしろい。昔のカメラの露出計はこんなだったかなあと思った。あと、ちょっとフィルム室の開閉のツマミが渋い。もしかしたら、前の持ち主がぶつけたのかもしれない。

 さて、このビトマチックIIの欠点は、なんといっても重いことである。鞄に入れるとずっしりとする。手に持った感じがそれほどでもないが、小さいだけに鞄の中でごろごろして感じが悪いのだ。ずいぶん重いので、これならOM-2に標準レンズくらいはあると思う。

 あと、欠点とは言えないのかもしれないが、ビトーBに比べると、絞りの羽の枚数が減っている。ビトーBは9枚だったのに6枚になった。自動絞りではないので絞りの粘りなどは関係ないのだが、やはり価格を下げるためだろう。また、ピントの調整が一番前のリングで行うのだが、これが思ったよりも使いにくい。それでいて、前玉回転ではなく直進ヘリコイドなのだから、さすがフォクトレンダーである。

 じゃ、写りはどうなの?という、質問にはお答えできない。実は、まだ撮影中で、フィルムがカメラの中なのである(^^ゞ このごろなかなかフィルムが減らなくって困っている。やっと暖かくなったので、近所の風景でも撮ってみようか。

フリマの様子2003.7.6追記 

 ビトマチックIIのポジが上がってきました。ビトーBの時と同様、あまり期待してなかったのですが、また、驚きました。まず、露出計。だいたい、40年も前のセレン式露出計なんてと多寡をくくっていたのに、それがどうして、思ったよりもずっと正確です。ざっと見て、露出が1eV以上狂っていた駒は1駒のみ。あとは、適正か、半絞り程度。実にすばらしい露出計です。加えて、テッサータイプの特徴なのでしょうかきりっとした描写で、ピントも正確です。下手な写真ですが、作例を2点お見せします。(ああ、恥ずかしい)
 1枚目は、屋内体育館から撮ったフリーマーケットの様子です。ポジですので、このくらいなら透過光では問題ない露出でしたが、スキャナで取り込むとずいぶん暗いため、少々明るくして且つコントラストも自動調整しています。周辺部まできりっと写っているのがわかるでしょうか。ディスプレーではわかりにくいでしょうが、15倍のルーペでのぞくと、一番遠いところにある看板の文字もはっきりと見えます。また、人の顔もなんとなくわかります。さすがにこれだけ小さいと表情までは無理です。レンズのせいというよりも、フィルムの限界でしょう。

 2枚目は、玄関先の花です。バックの地面が少々赤っぽいのは、そういうコンクリートブロックのためです。シャッターもベージュです。また、時刻も少々遅かったのかもしれません。カラーバランスは、ほぼ適正です。さすが、「カラー」スコパーです(^^ゞ 玄関先の花の写真は、デジタルで取り込んでみたら、露出はほぼ適正でしたので、一切、レタッチ等をしてありません。絞り1段程度まではやや柔らかい描写のようです。

 どちらの写真も、600dpiで取り込んで、640*400に縮小し、jpeg化してあります。

玄関先の花

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送