ヤシカFRのフィルムカウンター (20038.)

 例によって、e-bayでカメラを購入した。なにしろ、英語がうまく読めない、書けないという私なのだから、英語の勉強がてら楽しんでいるオークションである。

ヤシカFRの内部 このカメラがほしかったのは、ツアイスのレンズにあるのではない。実は、富岡光学のレンズに興味があったのだ。このHPにも書いたとおり、私はヤシカペンタマチックIIを持っている。しかし、このカメラは、残念なことに買ってすぐに故障してしまい一度も使ったことがないのである。それで、直そうと思ったこともあったが、自分で直すことができそうにないし、修理に出すよりも新たに買った方が安いということに気づいたのだ。

 いろいろ物色してみると、ヤシカ時代のカメラで安価に楽しめそうなのは、コンタックスRTSと同時に販売されていたFRシリーズだろうということで当たりをつけた。FRには私の知っている限りでは3種類あって、マニュアル露出のFR、AEとマニュアル露出のあるFR I、AE専用のFR IIである。自動露出専用は論外だから、FR Iを探したのだが、さすがのe-bayでもなかなか見つからない。あってもU.S.A. onlyである。しかたがないので、FR で手を打つことにした。

 FRとなると、結構な数が見つかる。欧米人は合理的なので、写真を撮るということに関していえば、安くてすむなら、高級機を敬遠するのだろう。結局、イギリスから日本円にして約1万円ほどで購入することができた。
 その代償として、ペンタマチックIIはYahooで処分した。こちらもほぼ同額だったので、まあよしとしよう。

 届いたYashicaFRは、ペンタマチックに比べると、やはり時代なのだろうなんとなく安っぽい。このごろのカメラと違って金属外装だし、結構な重量であるにもかかわらずである。考えてみると軍幹部と底カバーのメッキが安っぽいのだろうか。また、レンズの外装がプラスチックなのもいただけない。レンズは少々汚れていたが清掃したらきれいになったからよしとしよう。

 ところがである、フィルムカウンターが動かないのだ。あれ?と思って、改めてオークションの説明を読んだら、しっかりとフィルムカウンター不動と書いてあった。読み落としである。これはこちらが悪いのだからどうしようもない。

 それで、これも修理に出すのも腹立たしいし、インターネットで修理について調べてみた。すると、どうもこのシリーズのカメラの典型的な故障であることがわかった。そして、あるHPにこれを修理したということが書いてあった。

 それなら自分でもできるのではないかと素人の浅はかな頭で考え、ばらしてみることにした。ペンタマチックIIは、シャッター系が固まっているのに対してフィルムカウンターだけなら、それほど大事にはならないだろうということである。

 軍艦部外すために、巻き戻しクランクを取り外し、その下の3本のねじを外す。ペンタ部横にプラスねじが2本見えるのでそれも外した。シャッターダイアルは蟹目レンチで外そうとしたが、間隔が狭すぎて手持ちの蟹目レンチが入らないので、レンチのビットをプライヤーに挟んで回して外した。巻き上げレバーは、先日カメラのキムラから通販で買ったゴムリングをかぶせて回したらあっさりと外れた。これで、無事に軍艦部はすぽっと抜ける。

 フィルムカウンター部を見ると、写真に見えるように裏蓋を開け閉めすると左右に動いてカウンターのねじ山に当たるように可動のねじがある。このプラスチックの白いギヤが縦に割れていた。おそらく経年変化なのだろう。このシリーズ特有の症状ということなのだから、部品の強度が足りないのだろうと思う。このギヤの大きさは、昔プラモデルに使ったマブチモーターのギヤよりも少し小さく、直径約4mm、歯の数が13枚である。マブチモーターに付いてきたギヤは、たしか8,10,12枚だったはず(記憶不確か)だから、使えそうにない。仕方がないので、エポキシボンドで固めた。初めは、軸につけたままボンドをつけてみたが、これだとギヤの間隔があいてしまい、うまくいかないことから、軸から抜いてボンドで固め、その後軸に差し込んだ。とりあえず、割れたところは少し開いているが、なんとかくっついたようである。

 それを今度は、元に戻そうと、ユニット固定の写真に見える黒いねじと格闘した。このユニットが左右に動くので、結構微妙な調整が必要である。何度か失敗しながらもやっと固定できた。このとき、裏蓋をはめると簡単だった。これに気づくまで相当の時間がかかった(^^ゞ 写真は、裏蓋を外した状態である。

 さて、ここで巻き上げレバーを仮につけてシャッターを切ってみた。すると・・・・・・・・・・・・・・・シャッターが開いて・・・・・・・・・・・・・・・あれ、シャッターが閉じない(-.-) どうしたのだろうと、調べている途中で、妻からお呼びがかかった。買い物につきあってほしいということである。普段の買い物なら一人で行けばと思うのだが、この日の買い物は自動車。やはり自分一人では選べないようだ。

 買い物の道々、考えてみた。そういや、電子シャッターだった。しかも、シャッターダイヤルを1/1000にして外したのだが、外している途中で、シャッターダイヤルがぐるりと回った。すると、今の状態はB(バルブ)になっている。つまり、バルブで開いたまま、閉じる信号が入らないので、シャッターが開きっぱなしなのだろう。ということで、セールスの話も半分くらいに聞いて、「あ、これいい。」とか「好きなのにすれば。」とか適当なことを言って、素早く家に帰る。結局車は決まらなかった(^^ゞ

 シャッターダイヤルを取り付けるのは面倒なので、ドライバーで接点をショートさせる、あちこちなぞると、一番端の接点でシャッター幕が閉じた。やっぱり思ったとおりだった。こういうのって実にうれしいものだ。何度もシャッターを切ってみると、あれ?やっぱりフィルムカウンターの動きが少し変だ。それで、もう一度ユニットの固定ねじを調整してきちんと当たるようにした。白いギアは割れたところがやや開いているが、仮にこの割れたところで1回休みをしても13枚のカウンターなのだから、36枚撮りフィルムで狂って精々4枚の誤差になる。全く動かないよりずっとましだろうということで、これでとりあえず修理完了。思い出しながら軍艦部を元に戻す。

 何度も空シャッターを切ってみると、ほとんど大丈夫のようだ。しばらく使ってみてだめなようなら、また修理すればよいだろう。

 次は、このカメラにあう視度補正レンズを手に入れる必要がありそうだ。ファインダーをのぞいた限りでは、ぼけはわりにきれいなようだ。ただ、ファインダーがゴミだらけで、これは写す気力が萎えそうである。スクリーンとプリズムの間のゴミなので、マウント側からスクリーンが外れる機種なら清掃も簡単なのだろうが、このYashicaFRは交換不可である。また、軍艦部を外し、今度はプリズムを外さないと清掃できない。これはなかなか大変だろうから、しばらくは手をつけないでおこうかと思う。

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