全天カメラが欲しい  その2 (2006.9.1)

 実際に作成するためには、パーツ集めが必要になってくる。パーツを集めないことにはボディの厚さなどが決まらないためだ。シャッターとレンズはすでに決まったことだが、フィルムホルダーをどうするかいろいろ考えた。手元にあるのは、マミヤプレス用のGアダプターであるが、実はこれ、大変高価なモノなのである。オークション等では驚くほどの高値で取引されている。元値を知っているだけになんだかばからしいほどである。しかし、同じものを作ろうとすると、結構面倒なのも確かだ。
 それで、今回はグラフレックスXLに使用されていたグラフバック(だったと思う)をネジ止めで使用することにした。こうすることにより、ホルダーの交換ができるので汎用性が高くなる。その気になれば、ホルダーを交換して(というかボディを交換して)、1本のフィルムに円周写真と普通の写真を混合することも可能となる。ピント合わせは、目測、またはピントグラスであわせることにした。なにせ焦点距離が16mmである。まず、ピントを外すことはないだろうし、ゼニタールは0.3mまでピントが合うのでおもしろい写真が撮れそうだ。

レンズマウントをシャッターの取り付ける そうこうしていると、部品が集まってきた。いろいろ計算してみると、シャッターと木製のボディを繋ぐ前板(アルミ製)は2mmでいけそうだった。ここを2mmとすることで、ボディの厚みは15mmとなる。板の厚さを中途半端にすると結構面倒なため、できることなら5mm単位で合わせたいものだ。実際には、ほんの少々フランジバックが足りなくなるのがコツである。平均にボディを削るのは大変難しいが、平均にボディの厚さを増やすのは割に簡単なためである。

 初めに、シャッターを前板に取り付ける。前板は、前述したように2mmのアルミ板に穴を開けて作成した。シャッターの絞りが不用意に動かないように、前板の一部を切り欠いて開放から動かないようにした。本来ならシャッターを開けて、絞りの羽根を取り払った方が、けられが少なくて済むのだが、虎の子のシャッターを壊しても困るし、先日の実験ではほとんど蹴られていないようなので、問題なしとした。

木製ボディ 次にボディ本体を作成した。例によってチークの板をベースに、今回は表面を黒檀にしてみた。割に重厚な感じに仕上がったが、ニスを塗ると何となく安っぽくなってしまったかも。そして、このカメラにはなくてはならない三脚の取り付けのために、底に1/4インチのナットを埋め込んだ。そのままでは抜けてしまうので、下から黒檀の板で押さえ、その板を切り落としたのだが、ここで失敗。裏側を少々切りすぎてしまった。仕方がないので木製のパテで補修した。すると色が変わってしまってかっこわるいので、カメラの両サイドをアクリル絵の具で青く塗ってみた。あんまりかっこよくないが、補修した後がはっきりわかるよりはいいかも。

木製ボディとフィルムバックアダプター 次はフィルムバックである。四つ角に穴を開け、フィルムホルダーが引っかからないように大きなドリルでくぼみを付ける。ボディに合わせてみて下穴を開け、タッピングネジで留めた。がっちり付いて良い感じになった。ピントグラスを取り付けてみたら、やっぱりフランジバックが不足するようである。オーバーインフになるのだ。さすがに16mmでは調整が難しいので手持ちのM42レンズで一番焦点距離の長いロシア製のジュピター85mmF2を取り付け、無限に合わせる。この状態とレンズ鏡胴を一番短くしたときの差をノギスで計ってみると約0.75mmだった。このくらいだと、0.3mmのプラスチック板を加工して、その前後に黒の羅紗紙でサンドイッチにすると、ほぼピントが来るようになった。

 おしまいは、ファインダーである。ファインダーは、ものの本によるとドア用のスコープを使うのがよいらしい。そこでホームセンターに買いに行ったら、これが案外高い。工学製品としてみると大変安価なのだが、ホームセンターで買えるモノとしては高いと感じる自分がおかしい。ファインダーはこれからの作業になりそうだ。とりあえず写真はファインダーなしでも撮れるため、一度写してみようかと思う。

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