ズイコー55mmF1.2 vs ズイコー50mmF1.2 (2003.8.25)

 実家の隣町に、リサイクルショップができていた。お盆に実家にかえって、その途中に見つけたお店である。何の気無しに、本当にレンズなんて買う気無しに、そのお店に入った。息子が古いゲーム機があったら欲しいということで、探していたということもある。
 私は、基本的に、こういったリサイクル系のお店でカメラ屋レンズを買うことはほとんど無い。というのも、商品としてはカメラは特殊なもので、動作の確認や、程度の判断が結構難しいものだと思っているからだ。バルサムがはがれていたり、モルトプレーンが駄目になっていても、平気で中古カメラ屋と同じ値段を付けたり、時にはその倍近くの値段をふっかけているのもこういったお店である。もっとも、1軒だけだが、値付けの信用できるお店もある。実は、質屋系のお店なのだ。さすが質屋さんというのは目利きである。

 さて、そういったことは、どうでもいいのだけど、お店に入ってぶらぶらしながら、ついでというわけでもないが、カメラやレンズをチェックした。ああ、あるねえ、けっこういい値段だなあなんて思いながら、ショーケースを覗いていると、おおっと、ズイコー55mmF1.2があるではないか。それも、12000円。う〜ん、中古店でもこの値段はないよなあと、焦る気持ちを抑えて、店員さんにレンズを見せてもらう。店内は暗くて、はっきり言ってきちんとしたチェックはできないが、絞りはOK。これは、前回のリコーのレンズで懲りたからだ(^^ゞ カビはどうかというと、後玉にうっすらと白い点が2つほど。こりゃ、拭けばとれるなあと思いながら、店員さんに、「これ、カビじゃないの。欲しいんだけど、これなら高いから負けてくれない?」と、駄目元で聞いてみた。すると、良いということで、2000円値引きしてジャスト1万円だった。その後、走るように家に帰ったのは言うまでもない(実際車なんで、走ったわけだが(^^ゞ)

 で、家に帰って、明るい窓側でレンズを見てみると、なんと中玉にこれは間違いなくカビが3カ所。しかし、ほとんどわからないくらいだ。まあ、仕方ないだろう。このくらいなら、写りに影響がないはずという程度だ。なお、後玉の白い点は、レンズクリーナーですぐに消えてしまった。こちらはラッキー(^。^)

 それで、よく考えてみると、すでに、ズイコー50mmF1.2があるではないか。いくら描写性が異なるとは言え、同じズイコーのそれも同じ明るさのレンズを買っても仕方ないかなと、ちょっと後悔しつつ、まあ、そのうち処分すればいいさと開き直る(^^ゞ

 そこで、せっかくだから、この2本のレンズの対決、レンズ勝負をしようと思った。以下が本題である。ああ、長かった。
 私は、普段レンズを比べるときには、雑誌の表紙を開放で撮って、それをルーペで見ることにしている。フィルムは、そのときに使っているものの残りを使うので、あまり参考にならないかもしれないけど、色はともかく、シャープネスはこれでも十分わかる。というよりも、同じ被写体を比べてみないことには、どうもはっきりわからないのであった(^^ゞ
 ちなみに、今回使用したフィルムは、コニカのSINBI。このフィルム、何がよいといって、値段が安いこと(^^ゞ 10本で3900円だった。普段使うフィルムとしては、解像度もそこそこだし、変に色が濃くならないし、使いやすいフィルムだ。ただ、ズイコーで撮ると、ちょっと色乗りがあっさりしすぎるかもしれない。ISO感度をわずかに(1/3EV程度)上げて使ったら、ちょうど良いかもしれない。

Zuiko 55mm/F1.2 絞り開放 シャッターオート Zuiko 50mm/F1.2 絞り開放 シャッターオート
Zuiko 55mm/F1.2 絞りf2.8 シャッターオート Zuiko 50mm/F1.2 絞りf2.8 シャッターオート

 jpgにしていて、わかりにくいかもしれないので、雑誌のみ周辺部を拡大したものを、別に公開する。

Zuiko55mm/F1.2 絞り開放 周辺部 Zuiko50mm/F1.2 絞り開放 周辺部

 これでみると、はっきりわかると思うが、55mmの方は、周辺部のハロが明らかに多い。たぶん、開放で夜景などを撮ると、はでにフレアが出るのではないかと思われる。それに対して、50mmの方は、いくらか滲んでいるものの、こんなもんだろうという程度である。なお、この色のにじみは周辺部のものであって、中央部は両者ともしっかりしている。

 さて、全体に見比べてみると、開放では両レンズともやはりぼやっとしている。しかし、f2.8あたりからしっかりとピントが立つようになる。最良点はf5.6あたりであろうか。まだ、そこまで使い込んでいないのでこれから試したいと思う。色乗りは、55mmF1.2がやや黄色っぽい描写だが、世間でよく言われるほどではない。好ましいと思える程度だ。比べると50mmF1.2の方が、青いかなと思えてしまう。実際に使うと、50mm/F1.2は色の偏りはほとんど無い。
 ぼけは、55mmF1.2の方が、はっきりと柔らかい。50mmF1.2は形のわかるようなぼけである。2線ぼけ傾向かもしれない。不思議なもので、50mmの方が解像度が高いためか、ピントが深く見える。しかし、逆に55mmは立体感が強いのだから、どちらも好みの問題だろう。

 以上、わかったような、わからないような対決だが、どうだったろうか。普段使うなら、間違いなく50mm/F1.2の方が、使いやすいと思う。開放の性能はこちらの方がずいぶん上だからだ。しかし、この柔らかいと言われるズイコー55mmF1.2も、今となってはおもしろいレンズだ。もう、こんな柔らかい(はっきり言えば開放がぼやっとした)レンズは、生産されることはないだろう。そう思うと、手放すのが惜しくなるから不思議である。数字から言うと駄レンズなのだろうが、使っておもしろいのは、こういうレンズなのだということを、メーカーも余裕を持ってわかって欲しい。カリカリのレンズだけが良いレンズというわけでもないのである。(まあ、風景なんかはもっとシャープなレンズが欲しくなるけど(^^ゞ)

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